武蔵がとうとう、天国へ旅立ちました。
口内炎を患って7年?8年?・・・
口内炎は、猫にとっては不治の病です。
やれる限りの治療をしてきたつもりです。
悪いところの歯を抜いたり、ただれてきた歯茎を電気メスで焼き切ってもらったり・・・
注射にも通いました。
初めのころ打っていた注射がだんだん効かなくなり、ステロイド系の注射に変わり、
2週間に1回だった注射が毎週になり・・・
良いと言われるサプリメントを与えたり・・・・
どんどん悪くなってきて、点滴にも通いました。
2週間に1回だった点滴が、1週間に1回に変わり・・・・
それでも武蔵はがんばっていました。
必死に生きようとしていました。
ここ数年は本当に辛かったはずなのに、一生懸命ご飯を食べようとしていました。
お口が痛くて、硬いキャットフードが食べづらくなり、補助的に缶詰も与えていました。
先週の火曜日の夜までは、「ご飯、ご飯・・・」ってねだってきて、ちゃんと缶詰を食べていました。
でも、水曜日の夜はご飯をねだりに来なかった・・・
いつもはずっとリビングにいるのに、水曜日の夜はふらふらとリビングを出て行った。
私たちがご飯を食べ終わり、薬を飲ませようと探しにいくと、2階の寝室のベットの下で眠っていた。
リビングにつれてきて、いつもどおり薬を飲ませた。
そのまま、リビングから動こうとはしなかった・・・・
木曜日の朝も、ぜんぜん動いていなかった。
木曜日の朝、出勤前のこと・・・・
旦那も心配して、「今晩にでも病院に連れて行こう」と言っていた。
私が出勤する前に、武蔵が足を力なく動かしていた。
「立ち上がりたいけど、うまく立てないのかな?」
そう思って抱き上げ、立たせてみた。
武蔵は、もう自分の足で立てなくなっていた。
立たせても、立たせても・・・
そのまま、クタっと伏せてしまう。
「どうしよう・・・・・」
でも、仕事に行かなきゃいけない・・・・
フローリングの上じゃかわいそうと思い、カーペットの上までつれてきて寝かせ、エアコンをつけたまま
後ろ髪を引かれる思いで出かけた。
「なるべく急いで帰ってくるからね、帰ったら病院へ行こうね」
そう話しかけて、出勤。
なんとかフレックスを使って16時15分に退社。
家まで歩いて30分・・・
17時前、家に着き、リビングのドアを開けると・・・
朝寝かせた場所で首だけ扉のほうに向けて、眼をパッチリ開けて私を見ていた。
この間まで開けられなかった左の眼も開いていた。
「ムー君、遅くなってごめんね。急いで病院に行こうか?」
鞄を置いて、武蔵に近寄った・・・・・
!?
え?
武蔵に触れてみた・・・・
武蔵はすでに冷たくなっていた・・・・
「うそ・・・・」
ムー君、ごめんね。
寂しかったね。
ずっと、待ってたのかな?
扉を見ながら、私たちが入ってくるのを・・・・
最近ではお尻から出血して、止血剤を打ってもらって、何とか抑えた。
数ヶ月前から、左の頬の辺りが腫れて、左目が殆ど空けられない状態だった。
左あごの下に突然穴が開いて、膿と出血が始まった。
急いで病院に連れて行ったら、「薬による後遺症だろう・・」と言われた・・・
毎日、消毒と薬を塗り続けていた。
最近はちょっとだけ、左目があくようになった。
あごのところの傷も少しだけ小さくなった。
先週の土曜日に受けた最後の点滴は、吸収しきれずに片方の足がびちゃびちゃに濡れるほど染み出してしまっていた。
もう、武蔵の身体は限界だったのだろうか・・・?
そして・・・・
最後の時が来た。
あの時、会社を休んで武蔵のそばにいてあげればよかった・・・・
それだけが悔やまれる。
寂しかっただろうな・・・
心細かっただろうな・・・・
ドアの方を見つめながら、ずっと待っていたんだろうな・・・
旦那も、武蔵を病院に連れて行くつもりで、会社から帰ってきて車庫のシャッターを閉めずに家に入ってきた。
私が玄関で「ムー君、死んじゃった・・・」と告げると
「そうか・・・」と言ったまま黙り込んだ。
ごめんね、ムー君。
最後の時にそばにいてあげられなくて、ごめんね・・・
他の猫たちも、やっぱりわかるんだろうね。
木曜日から武蔵のために、ずっとエアコンは突っ放しだったけど、いつもなら猫穴があるにもかかわらず扉を開けて出入りする小次郎が、ちゃんと猫穴から出入りしてドアを開けっ放しにしなかった。
そう、今日武蔵が家を出るまでずっと・・・・
木曜日は・・・
すぐにかかりつけの獣医さんに電話して、武蔵の死を伝え、これからのことを相談した。
火葬場のパンフレットを獣医さんに貰いに行った。
武蔵を入れてあげる箱が見つからなかったので、獣医さんに相談したらダンボールの棺おけをくれた。
獣医さんの奥さんが言ってくれた。
「ムー君はきっと幸せだったよ」って。
「感謝してると思うよ」って・・・
家の子だったから、こんなにがんばれたんだよ。って・・・
涙が出てきた。
本当に、武蔵は幸せだったんだろうか?
家に来て良かったと思ってくれてるんだろうか・・・
他にもっとしてあげられることがあったんじゃないか・・・・
やれる限りのことはしてきたつもりだったけど・・・・でも・・・・
いろいろなところからの出血で血だらけになっていた武蔵の足を拭いてあげて、箱に入れて毛布をかけてあげた。
他の猫たちがいたずらをしてはいけないと、リビングのカウンターの上に武蔵を寝かせた。
金曜日、午後半休を取ってドライアイスを買ってきてお棺に入れた。
火葬場に電話して、受付時間を確認した。
他の猫たちも、きっとわかるんですね。
ゴエモンが食卓の隅、武蔵の寝ているお棺に一番近いところに座って、ムー君に向かって、いつもと違う声で鳴いていた。
ゴエモンには、武蔵が見えていたんだろうか?
火葬場につれていく少し前には、サスケがゴエモンが鳴いていた場所と同じ場所に座って、ムー君の方をじっと見ていた。
そして、今日、土曜日の朝。
武蔵の何かを残したかった。
足の裏に朱肉をつけて、足形を取らせてもらった。
午後、旦那が仕事から帰るのを待って、火葬場へ向かう。
家を出る前に、武蔵を抱いて家の中をひと周りした。
他の子たちにも、最後のお別れをしてもらった。
武蔵の葬式は無事に終わり、天国へと旅立っていった。
長い間薬を飲み続けていたせいか、骨がボロボロだったのが悲しかった。
旦那と二人で武蔵の骨を拾い、埋葬した。
涙が止まらなかった・・・・
ムー君、今までありがとう。
シャイで、やんちゃで、こっそりいたずらで、
普段は穏やかだけど、怒ると殺人キックが飛び出したムー君。
小さいとき、いたずらしてプラスチックケースを落として割り、その破片を加えて走り回ってたとところを私に見つかり、目が会った瞬間にフリーズしてくわえてた破片を落としたときのムー君の顔が今でも忘れられません。
他にも、たくさんたくさん、ムー君の思い出があります。
ムー君は、ずーっと、私たちの心の中に生きています。
ムー君、今までよくがんばったね。
辛かったよね。
やっと、楽になれたのかな?
ムー君、今までありがとう。
家の子になってくれて、ありがとう・・・
平成12年3月生まれ。
平成24年7月26日永眠。
享年12歳4ヶ月。
人間に換算したら78歳くらい。
もう少し生きていてほしかったけど、病気と闘って辛い思いを続けさせるのも辛かった・・・
生きていて欲しい・・・でも・・・
心の中でいろんな思いが渦巻くけど・・・
葬式が終わって、少しだけ心の整理がついたかもしれない。
階段に点在している武蔵のよだれの跡・・・
武蔵の飲んでいた薬の残り・・・
武蔵の食べかけの缶詰半分・・・
まだまだ、武蔵の欠片が我が家にはいっぱい残っていて、
見るたびに心が締め付けられて痛い・・・
でも・・・
我が家にはまだ5匹のニャジラたちがいるから・・・
いつまでも泣いてたら、他の子達に心配かけちゃうから・・・・
武蔵のことは忘れない。
そして、他の子達の為にしっかりしなきゃ!!